<意地の心理>    2001/11/27(火)

「意地の心理」という本を読みました。
離婚事件の調査に携わってきた家裁調査官と精神科医が、トラブルの背景にある
「意地の心理」から、家族紛争をとらえて書いた本です。
この本で、離婚の障害の一番は相手に対する「意地」であると著者は述べています。

例えば、とっくに夫婦関係が破綻しているのに「絶対に別れない」と言い張る人。
そういう人の多くが、すんなり同意しないわけにあげる理由に、
「あなたが〜したから、私はこうせざるえなかった」または、「あなたが〜してくれないから、
私はこうせざるえなかった」というのがあるそうです。
いずれにしても、この「こうせざるえなかった」という部分が、一見論理的なようでよく考えると
自分勝手ないい草なわけですが、意地を張っている当人には、そういう理屈が通じない。

著者は、そういう意地の元を探っていけば、そこには、必ず「相手に対する甘え」があるはずといいます。
つまり、「私はこれだけ犠牲を払ったのだから(我慢したのだから)、相手が何かをしてくれるべき
もっと私を気遣ってくれるべき、なんで私が折れなきゃなんないの?」というわけです。

これは、プライドが高いからこうなるとも思えますが、しかし本当に「プライドが高い人」は、
自分に対しての「意地」を張っても、他に対してむやみな意地は張らないはず。

こうして、こじれにこじれて、時間をかけても、結局「覆水盆に帰らず」になるのならば、
かつては愛し合ったもの同士、まだ、お互いに「もしかしたら、又という日があるかもしれない」
くらいの段階で、あっさり合意したほうが、エネルギーの節約になるし、次のチャンスを早く
つかむことになるのでは、と思うのは楽天的すぎるだろうか。

*この記事に対する、ご意見・ご反論・ご質問・ご感想は「放言室」へどうぞ。

HOME  雑感TOP

このコンテンツ内のすべての画像、文章は、HAMIX JOURNALに著作権があります。
サイト外ページからの直リンク、および無断転載を禁止します。