<閉塞>2002/1/4(金)

年末のニュースで、アルゼンチンで、市民が議事堂内に乱入、備品を破壊し、
火を放った映像を見た。
暫定政権が打ち出した、新通貨導入政策が、事実上の通貨切り下げに
つながるとの懸念が広まって、物価が数日で2〜3割も上昇。
このため生活への不安が高まったことに加えて、暫定政権に過去の汚職疑惑を
抱える高官が多いことへの批判や、利権でつながる政治家への不信感が根強いことも
抗議行動を過熱させたらしい。

見ていて、日本人は良くも悪くもああいう血の民族ではないな、と思いつつも、
オイルショック当時、すさまじいパニックが起きた実績がある国民。
政策を一歩間違えると、日本でだってああいうことが起きないとも限らないなあ、
と思ってしまった。

実際、身近な商店街を見ているだけでも、この国の経済はそういう煮詰まった方向に
向かっている感触はますます強くなっている。

人文系書籍の取次店が倒産したり、デパート系美術館の閉鎖が決まったり、
経済の低迷はこれまで以上に、文化活動の活力をも殺いでいるようだし。
前評判のわりに、盛り上がりを欠いたWindows XP、次々現れる新種ウィルスなど、
最近のコンピュータ関係の業界もさっぱりだし。

新しい機能を強調しても、それが重要な要素でなければ、景気が悪い時、
そういう飾りみたいな部分に、人は引き寄せられないらしい。
地味な分野だけでなく、派手な部分も消し飛んで、残った部分は煮詰まっている感じ。
このままじゃ、行き着く先は閉塞しかない。

こうなりゃ世間が賑やかになるのを、ただ待っていても埒があかない。
みんながちょっとずつ無理して見栄張って、質実剛健、実質主義を止めてみる。
それが大人っていうもんだぜ・・・と思うのだけど。

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