<乳がん検診>2002年4月19日(金)

今日は半年に一度の乳がん検診の日。
私は子供を産んでいないこともあって、年齢に比例して乳腺が減らないハイリスクグループ。
35歳の時に人間ドッグでひっかかって、大学病院の乳腺外来で精密検査を受けて以来、
年に2度検査を受けています。
乳がんは進行が早いので、年に1度では手遅れになる可能性があると言われています。
半年なら、もし明日発生しても間に合うというわけ。

全部の検査を終えてから、医者の説明を聞くのですが、診察室に通されたあと、
医者がレントゲン写真をチェックし、なにやらカルテに書き込む間、少し沈黙があります。
ただ、じっと静かに待っているのですが、この時はいつも、1度目の検診を思い出して
結果を聞くまでは不安な気持ちになります。

始めて検診を受けた35歳の時、その科目では、全国でも3本の指に入ると言われている
先生が外来に出ていた日だったせいもあって、200人近い人が詰め掛けていました。
その中から、もう1段階精密な検査に回されたのは、1/3くらい。
さらにあと2段階の検査で絞り込まれて、数人が日を改めて細胞診を受けることに。
その中に私も残ってしまいました。

検査の結果が出るまでの2週間あまり。
最悪の場合を考えて、誰が見てもわかるように家の中や書類を整理し、
その合間に手術の方法、手術以外の選択の可能性、セカンドオピニオンを受ける
医師の選択などに時間を費やし、恐怖心が湧き上がってこないように努力しました。
そのせいもあってか、検査を聞きに行く時には、もう死を覚悟したと言うか、
まな板の上の鯉にでもなったような気分で、妙に落ち着いていました。
若かったんですね。今ならもっとへなへなしちゃっていたかも(笑)。

その検査の結果が知らされたのは、一般の外来患者がいなくなった夕方遅くから。
待合室に不安と疲れが顔に出た7人だけが残り、ああ、彼女達はみな同じ立場なのね、
と、お互いに気づいて、何となく近くの椅子の集まって無言で座っていました。

たぶん、結果が悪かった人なのでしょう。涙を浮かべて診察室から出て来た人。
入っていく時は笑顔で目礼して行ったのに、出て来た時は固い顔のまま、
こちらを見ないで立ち去っていった人。
診察室の外まで悲鳴のような声が聞えた人など。

私の順番は一番最後だったので、なんとなく全員の結果がわかってしまいました。
なんともなかったのは、7人のうち、私とたぶんもう1人の人だけ。
あれは、本当に辛い体験でした。

検査の結果は、今回も無事通過。
半年に1度、大げさに言うと、ちょっと来し方行く末を考えてしまう日です。

35歳を過ぎている女性、特に子供を産んでいない人、授乳をしていない人は、
乳ガンと子宮ガンの検診を、年に1度は受けてくださいね。
発見が早かったら助かるガンで死ぬのは、バカバカしいですよ。

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