<白色ワセリンと尿素クリームの話>2002/5/7
●白色ワセリン●
最近、肌の乾燥に悩んでると言う人に会うたび、私は「白色ワセリン」を薦めています。
「白色ワセリン」は、鉱物油ですが純度が高く、無味無臭、低刺激、酸化し難いため、
保湿剤・保護剤、軟膏などの基剤として広く使われているものです。
乾燥する肌を守る、乾癬の皮膚を刺激から和らげる目的などに用られています。
薬局で50g入りが300円くらい(日本薬局方)で売ってます。
2年前の冬、目の周りと頬にアレルギーのような症状が出て、腫れと痒みで何もつけられなくなりました。
皮膚科に行ったら、お化粧はもちろん、石鹸で洗顔するのも、しばらくは止めるように言われました。
しかし、北海道の冬の室内は湿度30%以下になります。
20代の頃からエクストラドライスキンだった私。
水洗いしただけの肌は、5分もしないうちに乾燥のために痒くて耐えられなくなります。
その時処方されたのが、ワセリンだったのです。
それまで、ディオール、エスティー、ゲランなど、マダム化粧品を渡り歩くコスメティックフリークでした。
でも、その時以来、ローションと乳液の他はこれだけ。アイクリームも美容液も使わなくなりました。
ワセリンは皮膚の上に保護膜を作って水分が蒸発するのを防ぐためのものなので、
保湿とはちょっと違いますが、市販のクリームに含まれている界面活性剤の心配もなく、
24時間暖房の湿度25%の部屋でも、マイナス10度以下の寒風の中も平気。
今まで使ったどんなマダム化粧品より、シットリ感が長持ちします。
ワセリンは、若干固く伸びが悪いので、手の平で温めて、ローションの水分があるうちにつけると、
ベタベタ感が和らぎます。
ローションと乳液をつけたあとに目の周りはもちろん、Tゾーンを除く顔全体、首筋まで延ばします。
Tゾーンには、最後に手についた分を薄く伸ばすくらいにします。
ドライスキンじゃない人は、吹き出物ができるかもしれませんので、Tゾーンは避けて頬や目の周りなど、
乾燥が気になる所だけに、しておいたほうがいいかもしれません。
余談ですけど、シミもシワもたるみも、加齢によるものももちろんありますけど、
乾燥と紫外線が大きな原因と言われています。
この2つを防げば、年齢が上になるほど、肌年齢にかなりの違いが出てきます。
それともうひとつ、顔に何かつける時は、首とデコルテ、耳の後ろ、首の後ろまでつけること。
顔のたるみは耳の後ろから来ると言われていますし、この辺りは年齢が出やすいところですから。
ワセリンは、リップクリームやハンドクリームにも使えます。
ひじやかかとの角質を柔らかくしたり、あかぎれにももちろん効果があります。
1日1度、お風呂上りに塗っていれば、象さんのかかとも1〜2週間ですべすべになりますよ。
*ワセリンについては、薬剤師・美容皮膚科学研究家 飯沼佳江さんのHP内の
「ぴぴ姫の肌・薬・化粧品の相談コーナー」にわかりやすく書かれています。
●尿素入りクリーム●
最近保湿ハンドクリームや、手作り美容液・化粧水の成分として、「尿素」の名前をよく目にします。
尿素がなぜ肌の潤いを保つかというと、K.Satoh's official website の「尿素の話」によると、
尿素は水と非常になじみがいいため、皮膚に塗ったクリームに含まれた尿素がしっかりと水分子をつかまえ、
肌の乾燥を防ぐ働きをするから、らしいのです。
もうひとつ、 尿素には皮膚表面の余分な角質を除く働きもあるそうです。
角質を作るタンパク質の分子はCO-NHという構造をたくさん持っており、
互いに水素結合することでくっつきあっているとか。
ここに尿素を加えるとタンパク質同士の水素結合の間に割り込んでその構造を破壊し、溶かしてしまうというわけです。
このため、尿素入りのクリームや化粧水をつけ続けると、しっとりするだけでなく、
角質がとれ、肌がツルツルになるということになります。
スクラブやピーリング、フルーツ酸のAHA、レチノールなどもみな、この角質を取ると言う作用で人気があります。
角質を取ると、基底細胞の細胞分裂を活性化して、新陳代謝を促進するといわれているからです。
ただ、角質層は水分を保持したり、外的刺激から皮膚を守っているところなので、
取りすぎると、皮膚が乾燥しやすくなったり、赤くなったり皮膚がむけたりします。
ひりひりしたり、かゆみを感じることもあります。
最初に書いた、私の2年前の皮膚のトラブルの原因は、レチノール入りのクリームを6〜7年使いつづけた結果でした。
尿素入りのクリームやローションは塗りっぱなしにしないで、その上から、ワセリンなどで
保護しておくか、かかとや肘などの角質の厚いところだけに使うほうがよいようです。
それと、尿素クリームを顔につける方は恐らくいないでしょうが、尿素入りのローションをお使いの方、
尿素は目の粘膜に非常に良くないようですので、お気をつけ下さいね。
ちなみに、20%尿素入りクリームの興和の「ケラチナミン」の注意書きには、次のように書かれています。
(1)禁忌:眼粘膜等の粘膜
(2)慎重使用:炎症・亀裂を伴う症例・皮膚刺激に対する感受性が亢進している症例
(3)副作用
(a)皮膚:ときにぴりぴり感・疼痛・紅斑・掻痒感・灼熱感・丘疹・落屑などが現れることがある。
これらの症状が強い場合には中止する
(b)過敏症:過敏症状が現れた場合には中止する
(c)その他:とき に湿疹化・皮膚の亀裂・丘疹がまたまれに腫脹・乾燥化を生じることがある。
これらの症状が強い場合は中止する
(4)適用上の注意
(a)皮膚の外用以外には使用しない(b)潰瘍・びらん・傷面への直接塗擦を避ける(c)手指につけて眼に触れない
(5)取扱い上の注意:ステンレスヘラを長時間接触させたままで放置すると錆びることがあるので注意する
(6)室温保存
(7)規制等:尿素局上記がケラチナミンの注意書きです。眼の粘膜には禁忌ですので顔への使用はお控え下さい。
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