<村の論理> 02/07/25

田中真紀子さんが、秘書給与の問題で追求されるはめになったのは、
これまで、朝の会合の時に、同僚議員と一緒に朝ご飯を食べなかったことや、
普段から単独行動が多く、付き合いが悪いのが原因。
だから、こういうことがあった時に、同じ自民党議員から守ってもらえないと、
あの桝添要一さんが、どこかの新聞の取材に語ったと、
お昼のワイドショーの新聞読み上げコーナーでやっていた。

「それって、まるっきり村の論理ってヤツじゃないの。
そういうのがよくないということで、真紀子さんが外務省で戦ったんじゃないの。」

その場にいた、なんとかいう大学の先生がすかさず抗議をしていたが、
新聞を読み上げていたレギュラーのアナウンサー氏、「ええ、ああ、・・・。」
ゲストの予定じゃない発言に目が泳いだまま、コマーシャル。で、そのまま番組終了。
ふん、くだらない!やっぱりね、である。

これを聞く限りでは、桝添さんは、真紀子さんを批判しているように聞えるが、
そういう村の論理が嫌で東大を飛び出したっていうのがウリだった桝添さん。
もしかしたら、自民党の体質を皮肉って言ったのかも。
ここだけ聞いてもどっちなのか判断できない。

一仕事を終えたトルシエ前監督が、仏雑誌に「仮に、ゴールキーパーなしで試合をする、
と私が言ったら、日本のマスコミは暗殺しには来ても、理由をたずねたりはしないだろう」
というような発言をしていたらしいけど、本当にそういう感じがする。

どこぞの「権威者」が、断定的に述べたことをそのまま報道すればそれで終わり。
それを述べた背景や原因といったものをそれ以上問うことがない。
「権威者」が言っているからそれでいいでしょ、というわけだ。

そのくせ問題なのは、事実をそのまま報道している風なのに、
それとなく、持っていきたい結論に繋がる事実しか出さないマスコミ体質。

今日の喚問シーンもそうだ。
ちょっと言葉に詰まって歯切れの悪い真紀子さん。
ライブで通して見ていた限りは、それほど問題でもなかったのに、
そのあと繰り返し流す、詰まったセリフと表情。前後のつながりはカットして。
「このオンナ、またこんなコト言ってるぜ。」的に。
公平であらねばならないはずのマスコミでさえこの程度。

勿論、同じ映像だということは見ているほうだって百も承知。
それでも、いろんな局で何度も放映されれば、
自然と「印象」が出来上がってきちゃうものなのよね、、人間ってのは。

この国はみんな村の論理で動いている。
規格に合わないものは、弾き飛ばす。
同じ言葉、同じ行動様式のものだけで固まって安心していたい。
今更だけど、その感を強くする今日この頃。

それにしても、
ワイドショーってのは 「刷り込み」をするには最適な道具ですな。

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