<不便さの効用> 02/10/11 

最近、またまたスパムメールが増えてきているようである。
スパムメールとひと口に言ってもその種類はいろいろあるようで、迷惑度も様々。
よくある、ポルノサイトからのや、ねずみ講まがいのメールは、不愉快だけれど、
受け取らないようにしたり削除すれば済む。
しかし、この間、私が受け取った、偽ウイルスメール情報などは、知人が差出人だったばかりに、
言われるままにファイル削除しちゃった人も何人かいたようで、
そのファイルは比較的簡単に復旧できたとは言え、これはちょっと迷惑。

でも、もっと怖いのは、巨大なファイル(1MB以上とか)を送りつけられ、
他のメールが受信できなくなったりする「メール爆弾」や、当たり前だけど、「ウイルス・メール」。
最近では、勝手に人のメールアドレスを名乗って送りつけるなんてのもあるらしく、
そうなると、ちょっと迷惑なんて言ってられなくなる。

『もし世界が100人の村だったら』なんて、チェーンメールのおかげで出来上がったんだろうけど、
あれも、これだけスパムが多くなった今だったら、胡散臭さが前面に出てしまって、
不可能だったかもしれないね。

便利さのおかげで、これだけ急速に普及したE-メールだから、
悪しき活用法も急速に広がるのは、しかたがないのかもしれない。

そういえば、文藝春秋の10月号に、トロンの開発者でもある東大の坂村健さんが書いていた、
「不便さの効用」に、「大事な用件は、メールでなくFAXで」という一文があった。
こちらは、メールの危険性の意味がまた違うのだけれど。

「電子メールでは重要な連絡を見過ごすということがあるし、まぎれてしまうということがある。
 それに較べてFAXならカバンに入れれば忘れることはない。
 つまり、一番重要なFAXのメリットは、その「不便さ」なのだ。
 電子メールを出すという行為は、あまりに簡単すぎる。
 出費もないし椅子から立ち上がる必要さえない。だからこちらもFAXを重視する。
 一昔前の手紙とFAXの関係と同じことが、また言えるわけだ。
 不便さというコストにも効用があるのである」

私は最近、Webで見つけた気になる記事や大事なメールは、プリントアウトして読むようになった。
ディスプレイで長い文を読むと目が疲れるということが一番の理由だけど、
やはり印刷された物の方が頭に入りやすい気がする。
鉛筆で印もつけられるしね(笑)。
これもまた、便利さを追求していったら、不便なものの効用が見えて来たってことかな。

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