<Who is Monster? >  03/03/26 13:05放言室へ投稿原稿

ハリバートンが、「戦後イラク」の石油発掘権を受注したと午前中のニュースでやっていました。
発注したのは、イラク侵攻中の米軍(大笑)。
この会社、チェイニー副大統領が代表をしていたといういわく付きの会社。

おいおい、それはいくらなんでも節操なさ過ぎじゃないの。
・・と思うのは、一人私だけでしょうか。

これで、思い出すのは90年の湾岸戦争の時の事。

当時の新聞のバックナンバーを探してみると面白いコメントが出ています。

「アメリカの会社が戦争の恩恵を受けてはいけないという理由でもあるというのかね?」
・・・アメリカ随一の天然ガス・パイプライン建設会社で知られていた 、
今はなきエンロンのある幹部の弁 。

みなさんご存知のように、当時の大統領ジョージ・ブッシュは、
政治家になる前は、テキサスで石油会社を率いていたし、
当時の国務長官ジェームズ・ベーカーはエンロンの元代表者。
今のブッシュJr.とチェイニーのように、石油業界に太いパイプを持つもの同士。

当時のアメリカ石油業界は、1980年代後半の湾岸諸国(OPEC)の増産政策で
石油価格が下がり、収入の減少に苦しんでいました。
イラクも、イラン・イラク戦争での後遺症による経済不安で窮地にあり、
フセイン自身の地位も危ぶまれていました。
なので、石油価格の高騰は両者にとって望ましいことであり、
石油長者であるブッシュが「手を打つ」のは必然のことと思われていました。

ブッシュ(父)が元CIA長官だったためか、当時もいろいろな憶測が流れました。
今でも真偽の程は定かじゃないですが、とにもかくにも石油の価格は上昇しました。
そしてフセイン政権もこれまで生き延びてこられた。

そういえば、あの戦いの時も
『中東周辺の平和を脅かす悪の独裁者サダム・フセインから救う聖戦』
と米英によってアピールされたんでしたよね?

ここで、ちょっと考えてみてください。
サダムをあのまま放っておいたら、何が起こったと言うのか。
ジョンイルの国も同じ。今の状態で、日本を相手に何ができるか。
彼らの国の現状を冷静に考えてみてください。

「窮鼠猫を噛む」のではないかと、心配ですか?
自分たちが先に仕掛ければ、両刃の剣だということは、
いくら馬鹿な指導者だってわかっているでしょう。
よしんば、何かを仕掛けてきたとしても、それは相手をテーブルにつかせるための手段。
強者が先に弱者を叩くことよりは、はるかに犠牲が少ないでしょう。

やられる前にやる?
それは銃を持つことを肯定する人たちの発想と同じではないですか?
2,000億ドルの出費と予測できないほどの数の犠牲者が、兵士と民間人に出た後、
はたして世界は、今より安全な場所になると思えますか?

アメリカ人は、もっと冷静に中東の歴史を振り返ってみる必要があるようですね。
そして、善悪2元論の発想で、戦争の現実と勧善懲悪の田舎芝居を混同するような事を止めなければ。
いまや、アメリカは誰がなんと言おうと、よくも悪くも世界一の大国なんですから。

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