■レシピをお使いになる前に
レシピを見て初めての料理を作る時は、書かれている材料、調味料の基本的な割合、
手順といったものを頼りに、作業が進行するわけですから、
目安となる材料を記すことが必要になってきます。
たいていの人はそうでしょうが、私も毎日の食事作りでは、
きちんと量を計るということはほとんどなくやって来ましたので、
このレシピ集で、1番苦心しているのが、分量を決めるということです。
そこで、レシピを書くに当たり、計量しながら作ってみて、それらしい分量は書き入れましたが、
それとても、絶対的なものではありません。
ですので、これをお使いになるみなさんには、ここで記されている分量は、一応の目安として頂き、
物理的な計量ではなく、感覚的な計量で細心にしてかつ、大胆にポイントを
つかんで作っていただけたらと思います。
例えば、料理の本では「大さじ1杯の油でお肉を焼きます」なんて記述が
よくありますが、こういう時、たいていの人は私同様、きっちり計量などせず、
大きいポリポットのままの油を、適当にフライパンにあける、
そうして足りなければ足すという具合ではないでしょうか。
この場面で大事なのは、油の量よりも、お肉が室温に戻っているか、
水気が拭われているか、フライパンが熱せられているかということの方、
というふうに考えていただきたいのです。
材料の分量などに関しても、きっちり同じように揃えなくても全然問題はありません。
お手元にある量に合わせて、何かの材料だけ多かったり、足りなかったりなるのが
家庭料理の良さです。万事大まかになさって下さい。
同じ人が、同じ材料を使い、毎日同じ料理を作りつづけても、その日の健康状態、
気温、ちょっとした火加減の違いなので、毎日同じものが出来るというわけにいかないものです。
そんなところが、料理作りの面白さ、いつ食べても飽きない「家庭の味」と思います。
又、調理の時間にしても、何℃のオーブンで何分焼くとか、中火で何分煮るなどと書いてあっても、
これは一応の目安とお考え下さい。それぞれのオーブンのクセもありますし
煮物ならば使うお鍋の質や、熱源によっても時間は変わってきます。
その辺りを踏まえて、ご自分の目で確認して臨機応変にして頂けたらと思います。
それと、どんな料理も味の決め手は塩加減にあると思いますが、
おいしくなるか、失敗するかは紙一重で、その加減は個人差もあることです。
塩味は過ぎると修正がききません。
地方によってお醤油の味や塩分も違います。
ですので、特に塩気については、最初から、ここに書いてある分量通りにしないで、
少な目に使ってみて、味見をしてから、お好みの味になるように足すというふうにして下さい。
そして、もし失敗しても、あきらめずに、2度、できれば3度は作ってみて下さい。
大丈夫!どんなことしても、入っているものは食べられる物ですから、
例えイメージと違っても、塩気さえ過ぎなければなんとかなります。
自信を持って作って下さい。
料理は化学です。臆せずどんどん試してみてください。
その中から、きっとあなたのお得意料理ができるはずです。
(2001/03/19)
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