■本の部屋過去ログ・その7
2002年4月13日〜6月17日まで(46〜50)

日付は上から古い順になっています。


46)
KT(映画)
■ みなみさんじょ〜 (100)投稿日:2002年05月16日 (木) 11時39分

原作:中薗英助『拉致』
監督:阪本順治
脚本:荒井晴彦

1973年、金大中・元韓国大統領候補が九段下のホテルから突然姿を消し、
5日後、ソウル市内で傷だらけの姿で発見された、
あまりにも有名な(当時9歳の私も覚えている)事件を扱ったフィクション。
うやむやになったままの真実は?と、この事件に少なからず関心があったのと、
試写を観た金大中氏が
「これが真実であったならと思うほど素晴らしい」とコメントした、と聞いて、
何が何でも観に行こうと、レディスディ1000円の昨日観て来ました(←矛盾)。
162席のシアターに観客25人と、
4月に息子が観た「ミスタールーキー」に負けないくらいの不入りでしたが、
2時間あまり、眠くなることもだれることもなく観られました。
本当にこんなことが現実にあったら?と思うとちょっと怖いですが、
よくこういう映画を撮ったなぁ、と感心してしまいました。

同じ館の別のシアターではスパイダーマンに人気集中。
そういった映画と並ぶと格段にジミな「KT」が不入りなのも仕方ないのかなぁ、と思いながら、
こういう映画が埋もれていくのはもったいないなぁとも思います。


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■Re:KT(映画)
■はるみん (101)投稿日 : 2002年05月16日 (木) 16時42分

金大中さん。
当時の日本のマスコミは、「キンダイチュウ」と読んでいたんだよね。
あれから29年か・・。
彼の足が悪いのは、当時の拷問の後遺症らしいですね。
でも、あの時殺されなくて本当に良かった。
日本でも、キムデジュンで通じるようになったしね。
沖縄が返還されて30年。近い時代だったのね。
時の流れを感じます。

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■Re:Re:KT(映画)
■みなみさんじょ〜 (102)投稿日 : 2002年05月16日 (木) 19時48分

> 日本でも、キムデジュンで通じるようになったしね。
そうそう、びっくりしたのが、「きむでじゅん」で変換するとちゃんと金大中になるんですよ。
作中、日本で在日同朋を前に演説する金大中はエネルギーに満ちていました。
日本の政治家にもこれくらいのまっとうなエネルギーを持って欲しいものです
・・・(ヤジはいらんから)


47)
木更津キャッツアイ
■ うさ (103)投稿日:2002年05月18日 (土) 19時06分

「木更津キャッツアイ」(角川書店)
宮藤官九郎著

ミヤフジ、じゃないですよ
「クドウカンクロウ」と読みます。
通称クドカン

今年1月末から3月まで、TBS系で放送されたドラマの
シナリオ本なんですけどね、
良かったんですよ、これが。

クドカンは映画「GO」の脚本で映画賞とったり
テレビだと「池袋ウエストゲートパーク」「ロケットボーイ」の脚本など。

彼自身も舞台俳優でもあり、多才で地味な32歳。
その彼が書いた「木更津キャッツアイ」
舞台は、かの悪名高き「東京湾アクアライン」が通った町「木更津」
そこに生まれ育った5人の二十歳そこそこの野球好きの男子を中心に
話は進んでいくんですが、
主人公の「ブッサン」とよばれている、ちょっと短気な彼は
初回で、余命半年と宣告される。
そこから、彼を中心に5人が、怪盗団「木更津キャッツアイ」を結成
話は進んでいきます。
ドラマなどで、主人公が若くして死んでいく設定
泣かせる話なら、いくらでもあるんですが
この本は徹底的に笑わせる、ギャグの連発
「んなこと、あるわけないだろう!」と、毎回突っ込みをいれつつも
ついつい引き込まれ、一回終わるごとになんとも幸せな気持ちになれる。

全編今風の若者言葉で進められるため、
ぼーっと読んでいると見のがしてしまいすが
じつに自然で、たぶんその年令の若者ならではの心からの言葉が
あちこちの出てきて、すんなり心にしみてくるんです。
決して若者向けに書かれた話じゃない。

命の期限を医者から言われても、それを実感できない
主人公「ぶっさん」が
先輩の悲惨な事故死を目の前にした後、
帰ってきた家で父親と、死んだ先輩の物まねをしながら、
ふとぶっさんが言う台詞
「死ぬってさ、普通に、こわいって思ったよ、死ぬって・・・・
こええなあ。」
とか
ぶっさんの、高校時代のマドンナ先生が言う
「生きている人間が、死んだ人間に何かをお願いしたり、
そういうのって傲慢だと思うの」って台詞とか。
その一つ一つが、ドラマになってさらに生きてて
本当に丁寧に、スタッフ、キャスト全員が
エネルギー注いで作ったドラマなんだと
脚本を読んで改めて感心。
なかには脚本と違っている台詞も「そうきたか」と感心してしまう
逆の楽しみもあり。
登場人物の誰1人
必要ないんじゃない?っていう役が見当たらないのも見事。

ドラマ見てなくて面白いか?と聞かれると
わからないけど、
この脚本読んだらドラマを見てみたくなることは
確実かな。

ちなみに、話は野球と同じく全9回
毎回表裏があり、その構成もなかなかおもしろのね。

「東京湾アクアライン」を、こよなく愛する
うさがお届けしました。


48)
椎名林檎「唄ひ手冥利」東芝EMI
■ うささ (104)投稿日:2002年05月30日 (木) 18時32分

曲目
カメパクトディスク
「灰色の瞳」「more 」「小さな木の実」「i wanna be love by you」
「白い小鳩」「love is blind 」「 木綿のハンカチーフ」
「yer blues」 「野バラ」
モリパクトディスク
「君を愛す」「jazza go go」「枯葉」
「i won`t last a day without you」
「黒いオルフェ」「mr.wonderful」「玉葱のハッピーソング」
「starting over」「子守唄」

見ての通りすべて人の曲
シューベルトから、太田裕美、朱里エイコ
加藤登紀子、ビートルズ、マリリンモンロー
もうバラバラです。
最近多いんですね、この手
火付け役は井上陽水でしょうか
原由子、中森明菜、などみなさんだしてますが
それぞれおもしろい、
で、面白い度で言うとダントツですわ、これ。
林檎チャン、なんたって唄がうまい(まだまだ若いですが)
カバーするには歌唱力がかなりないと
ちゃっちい出来になるんですよね
ひと昔前では、南沙織の「17才」を森高千里が唄った時の
ちゃっちさは、目を見張るものがありましたさ。

椎名林檎というと「新宿系」「演歌ロック」など
色々な呼び方されてますが
普段はもちろん自作自演の人
その個性は、私の記憶の中にないパターンで
しいていうなら、カルメンマキ?中島みゆき?
う〜〜んやっぱり林檎は林檎。
息を吸う音は中島みゆきとそっくりですが、
歌唱力は林檎チャンが上かな、
「ラリルレロ」の巻舌が特徴。
声を自由にあつかえるって感じかなあ。

歌詞もまた独特、
以前にねじめ正一氏が、現代の詩を色々分析する番組で
椎名林檎の「歌舞伎町の女王」取り上げてましたっけ。

でその林檎チャンが今回は人の曲を。
カバーの面白さは、アレンジによるところも大きいけど
それもなかなか楽しめる出来になってます。
カメパクトはギター中心のアレンジ
モリパクトはキーボード中心のアレンジと
2枚のディスクからなってます。
最初聴くと、キーボードの方が違和感なく聴けますが
何度か聴くと、ギターアレンジの方がかなり面白いです。
「木綿のハンカチーフ」なんて往年の太田裕美ファンは
激怒しそうな出来で、最高です。

カバーは最初に唄った人の印象が強ければ強いほどむずかしいですが
いい曲はもっと色んな人がカバーして唄ってほしいって思います、
そうすれば、自分の好みで
林檎チャンの「木綿のハンカチーフ」はいいけど太田裕美はね
せいぜい朝ドラで下手な芝居でもしてな、
なんてこと言っちゃったりして、
楽しみ増えますし(けなしたいだけだって?はい、そのとおり)

1人のアーティスト(絵描きでもミュージシャンでもいいんですけど)を
好きになると、その人のこと色々知りたくなって
調べてみる。
そうすると、その人の好きなものが自分の好きなものとかさなって
ますますその人が好きになる
当たり前のようなことだけど、好みってそういうもんで
カバーアルバムの選曲を見るとその人がどんな曲に影響を受けてきたか
よ〜〜くわかって、それも楽しい。

今回のアルバムの林檎チャンの歌唱法聴いてて
思い出したのは、ドイツのシンガー、ウテ・レンパー
林檎チャン紹介しててなんですが、比じゃないです。
次はこの人のアルバム紹介させてくださいね。




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■これで思い出しました
■はるみ (105)投稿日 : 2002年05月31日 (金) 17時53分

カバー曲と言えば、陽水もいいですが、
吉田卓郎や宇崎竜童のもよかったですよ。

タイトルは忘れましたが、初めて、竜童のそのアルバムを聞いた時は、
鳥肌がたつほどしびれました。

拓郎が歌った「あの人は〜あ〜くまっ」も、曲自体が
キャンディーズのものとは別物?と思ってしまったくらい新鮮でした。

どの歌も、彼らが歌うと、お嬢ちゃん歌手が歌っていたのと違う
素敵な曲に聞えるのは、歌のうまさももちろんあるけど、
言葉が聞えてくるってことが大きいかもしれません。

ああ、この歌こんな詩だったんだと、改めて気づいたことが多かったです。

そうそう、あの松田聖子が歌った、「スゥィートメモリー」も
和田アキ子が歌っていたのを聞いた時は、けっこうしびれたなぁ。

*うささん。↑のHN「さ」が1個多いけど、名前変えたの?(笑)


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■あれ?
■うさ (106)投稿日 : 2002年05月31日 (金) 18時37分

あれあれ、全然気が付かなかったわ。
「うさ さ!」って偉そうに言ったわけじゃないの
ただの間違いざんス。

カバー色々たのしいっすよね。
SAYAKAが唄う松田聖子なんてあんまし興味ないけど
宇多田ヒカルが唄う藤圭子は、興味津々。
ヒッキーは、前に山口百恵のプレイバックパート2唄って
なかなかよかった。

そう言えばこの林檎チャンのアルバムでも
「iwon't last a day without you」カーペンターズの曲
宇多田ヒカルと林檎チャンのデュエット。
「灰色の瞳」はスピッツの草野マサムネ君とデュエット
なかなか、おいしいです。

訂正と追加でした。
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■椎名林檎「唄ひ手冥利」東芝EMI
■帰ってきたM (116)投稿日 : 2002年06月22日 (土) 21時10分

 紹介文に釣られて本日早速聞きました。林檎ちゃん好きのうちの娘が
このアルバム知らなかったので、おかあさん「えっへん」でした。
さらに宇多田ヒカルとのデュエットまであって大感激してました。

 私の一番は「枯葉」 エディットピアフを彷彿とさせてくれました。

 また色々紹介楽しみにしてます。


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■Re:椎名林檎「唄ひ手冥利」東芝EMI
■うさ (117)投稿日 : 2002年06月23日 (日) 17時49分

帰ってきたMさま、

娘さんといっしょに聴いていただけたなんて、
紹介したかいがありました。

若いコにうけてる曲、聴かず嫌いだと損しますよね
なかなか、おもしろいですから、

娘さんがいるとかえってよく聴くのでしょうね。

それではまたなにかありましたら紹介しますね。


49)
■ 最近読んだ本
■ うさじい (107)投稿日:2002年06月09日 (日) 23時29分

篠沢秀夫氏著集英社刊「いいんですよやり直せば」をお薦めします。

教授の奥さん、マダムシノザワのことから、フランスでの知られざるエピソード、
そして哀しい出来事が綴られています。
彼の勇気に敬意を表します。

彼がなぜあのように明るくいらっしゃるのか、その謎も書かれています。
フランス語の天才は急に出来上がったのではない。
面白く機知にとんだ一冊です。

実は篠沢氏とは、仕事を通じて日頃お付き合いさせていただいています。
本をあまり読まない私ですが、クイズダービー以外の、氏の事を知っていただきたく、
皆様にご案内いたします。




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■Re:最近読んだ本
■はるみん (108)投稿日 : 2002年06月11日 (火) 01時34分

うさじいさん、本の部屋にようこそ!

篠沢教授と言えば、柔和な明るい方という印象ですが、
いろいろなことをくぐりぬけての、あのお人柄なのですね。
ちょっと、読んでみたい気分になりました。

それにしても、クイズダービーの篠沢教授と言うのも、
ずいぶん古い話になりましたね。
ま、こちらのお客さんのほとんどは、ご存知でしょうけど(笑)。



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■Re:最近読んだ本
■みなみさんじょ〜 (109)投稿日 : 2002年06月17日 (月) 08時33分

クイズダービーの篠沢教授、もちろん知っております。
間違えると「アイタタタ〜」って表情をなさって可愛かった(おぃ)。
司会者はともかく(笑)あのクイズ番組はおもしろかったです。

挫折の多いワタシとしては、とても心惹かれる本。
探すぞ〜。
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■Re:最近読んだ本
■うさじい (114)投稿日 : 2002年06月18日 (火) 20時47分

じゃ倍率ドン!「あんたなんで教授やってんのに20倍なんだ!」
「いやはや。フムフム」なんつうのもおかしかったよね。

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■Re:最近読んだ本
■みかるー (115)投稿日 : 2002年06月19日 (水) 21時06分

ああ なんて懐かしいお名前が ^◇^;
思わずレスしてしまいました。書店に行ったら心がけておきます。


50)

「グサリとくる一言をはね返す心の護身術」
■ 帰ってきたM (110)投稿日:2002年06月17日 (月) 14時16分

「グサリとくる一言をはね返す心の護身術」草思社1300円
バルバラ・ベルクハン
瀬野文教訳

お久しぶりです。Mです。
もう色々と何かととにかく忙しく心労も多く、余裕が無く長く疎遠にしておりました。

久しぶりでの登場がこのコーナーと言うのもなかなか渋いでしょ?
でも、紹介の本が「この手の」本というのが、私的に非常に「らしい」のです。
初対面の方々、そういう奴です。Mは。(ってどういうこと?と結局訳のわからん奴で)

で、次々と難題が降りかかり、忙しくてという日々でしたが、この本を読んで、
心の余裕が無いのは忙しいからではなく、「自分の気分の操作ができない」
というのが諸悪の根源と発見!

さっそく心の護身術のトレーニングに、またちょくちょく顔を出すことにしました。
ここの管理人さんはこのことは先刻承知で、今にして思えば「気づかせるべく」
色々アドバイスしてくれていましたが、今になってやっと理解できました。
どうして世間の人々は私よりハードな状態のはずなのにアレもコレもできるの?
と不思議だったのですが、謎が解けました。

この本はベストセラーで、この前に「アタマにくる一言へのとっさの対応術」
というのもベストセラーだったので、ご存知の方多いと思います。

最初はこれほどツボにはまると思わず、ほとほと困っている娘に対応するヒントが
あるかも、という程度。
ネットで購入したので、届くまで「無駄使いしちゃったかも」と脳裏をかすめていました。

読み始めると「まえがき」からいきなり私の心のツボにはまり、あっという間に読み
終わり、さらに、にくいことに「あとがき」にまで仕掛けがありました。
作者自身「あとがき」は読まない事が多い。
そこで作者は「読者の皆さんが読まずにいられないほどおもしろいしめくくりを
用意しようとおもいます。」
と始まって事実もう一冊読んだくらいの内容でした。

この類の本は類似する表現を必ず見かけているものですが、それがない。
というより、上記のように誰かに以前指摘され、アドバイスされても
わからなかった事なのに、いちいちツボにはまるのです。

「非人情のすすめ」の第2章は特に。
納得したあとで浮かぶ疑問に次に答えてくれ、納得させ、さらに
「じゃあ今すぐ、まずどうすればいいの?」ということにまで回答してくれている、
「私のために神様がプレゼントしてくれた!」と思えるほど。

作者はドイツ人の子持ちバツイチ女性。このドイツ人というのがミソかもしれません。
アメリカは成功至上主義、合理主義、異人種の集合だけあって「色々な考えがあってあ
たりまえ」という認識をDNAレベルで認識している。
でもドイツは「規則ありき」人種なので、私のように、勝手に自分で自分に
縛りをかけてしまっているタイプにとって非常に奥深いところで共感できるので、
まさに「作者の思う壺」状態で浸透してきます。
 
訳者も書いてましたが、この類の本を多数読むより、この本を繰り返し読む方が
はるかに効果的、と思いました。


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■Re:「グサリとくる一言をはね返す心の護身術」
■はるみん (111)投稿日 : 2002年06月17日 (月) 15時17分

おかえり〜。待ってたよ〜。ヽ(^。^)ノ

相変わらずのMカラー。
そこはかとない面白さは変っていないようで、とてもうれしいです。
しかも、なにやら、秘術を身に付けてパワーアップしたようで、
これは、ますます楽しみですなぁ。(^。^)

この手の本、実は私は内心、読むだけ時間の無駄と思っている所が
あるのですが、Mさんのこの紹介文を読むと、そんな私でも、
ちょっと読んでみようかしらって気になりました。

グサリとくる一言を発する側だったはずの私も、最近年のせいか、
心の護身術を身に着ける必要を感じているしね(笑)。



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■Re:「グサリとくる一言をはね返す心の護身術」
■ピット (112)投稿日 : 2002年06月17日 (月) 16時18分

帰ってきたか。あははは。
読んでみよう。

『心の護身術のトレーニングに、またちょくちょく顔を出すことにしました』 
うん、ここはハードだよ。(笑)


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■Re:「グサリとくる一言をはね返す心の護身術」
■みなみさんじょ〜 (113)投稿日 : 2002年06月17日 (月) 20時24分

Mさん、おかえりなさい。お待ちしていました。
心の護身術・・・
わたしも多いに身につけねばです。
かれこれ4ヵ月半もズタズタになる経験ばかり続いてます(笑)
(って笑い事なのかぃ>自分)
うーん、
読まねば。
これは「買い」候補の筆頭にランクインです。


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