ハイドロカルチャー
水耕栽培

ハイドロカルチャーとは?

一種の水耕栽培です。
土の代わりに、ハイドロボール(レカトン)という石を使います。
ハイドロボールは、粘土質の水成岩を1000℃以上の高温で
焼いて作った「発泡煉石」。中の気泡が水分や空気を保ちます。

清潔なので、お風呂場や台所などにも置けます。
また容器を選ばないので、好みのガラス器などを使うことができます。
育てやすい植物

アイビー(ヘデラ)・ポトス・カポック・スパティフィラム・テーブルヤシ・パキラなど。

ハイドロカルチャーの場合、土植えのように老廃物を分解する土壌微生物の力を借りられないので、
根腐れしやすくなります。

また日の当たる場所に置くと、水温が高くなり植物をだめにしますし、藻も発生しやすくなるので、
ハイドロ植えには、日光をさほど必要としない植物が向いています。

特に切って水に挿しておくだけで簡単に根が出るポトスとアイビーはハイドロ向きです。
また、こうして水用の根を出してからハイドロ植えにすると活着しやすくなります。
根腐れ防止の方法

根腐れは酸素不足の他、根自体が分泌する物質などにより根が窒息死して起ります。
水を多量に与えない。完全に乾く時間を取ることで、ある程度通気性は保てますが、
問題は根から出る分泌物です。
土の中では微生物がこれを分解してくれますが、容器の中ではそうはいきません。
そこで、ハイドロカルチャーでは、微生物の代わりに、「珪酸白土(ミリオン)」や
イオン交換樹脂などの吸着剤を使います。

それでもどうしても数ヶ月もすると中が汚れてくるので、半年に1度くらいは、
容器から全部出して洗います。その時に植物の根も良く洗い、汚いところは切っておきます。
このため、植えるプランツはあまり大きなサイズにしないほうが扱いやすいと思います。
植え方

<用意するもの>
ハイドロボール・・・・大または中粒(容器と植物に合わせる)・小粒
珪酸白土(商品名・ミリオン又はゼオライト)・容器・15℃くらいのお湯
あれば、イオン交換剤(商品名・イオナンタ)

1・鉢に植えられていた植物を使う場合は、まず土をしっかり落とします。
  鉢からそっと根を抜き出し、根を切らないように注意しながら根土をていねいに落とします。
  あらかた土が取れたら、15℃くらいのお湯の中で、静かに根を洗います。
  根に土が残っていると、水が腐りやすくなるので、きれいになるまで
  何度もお湯を取り替えて落とします。

2・容器の底に、イオン交換剤、珪酸白土などを1センチくらい敷き、
  その上に、粒の大きなハイドロボールを容器の1/3くらいまで入れます。(水層部)

3・2の上に根を広げ植物を置く。
  小粒のハイドロボールを根の間を埋めるようにていねいに敷き込み(気水混合層)、
  植え込んだとき根が外から見えないようにします。

4・その上に小粒のハイドロボールを植物が安定する位置まで詰めます。(気層)

5・2の水層部が浸るように、水を静かにそそぎます。
  この時、植え替えたばかりの根が水に浸らないように注意します。
  活着すると、水用の新しい根が出て水の中まで伸びてきます。

6・葉っぱには霧を吹きます。
  植え替え後2、3週間は動かさないようにして、根の活着を待ちます。
  乾燥している時期ならば植え替え後数日は、上部に空気穴をあけたビニール袋を
  かぶせてやってください。
育て方

・水は完全になくなってから与えます。
 いつも水を足すのは、底部の酸素不足を招き、根腐れしやすくなります。

・肥料は、植え替えて2,3週間経ち根が活着してから初めて与えます。
 使う肥料は根腐れ防止剤とのバランスからも、ハイドロカルチャー用のものが適しています。
 また、葉面散布の活力剤なども効果的です。 
ハイドロカルチャーは、1970年代にドイツで始められた水耕栽培だそうです。
日本でも 80年代に流行り、新しもの好きの私も作ってましたが、
根腐れなど管理の面倒さからか、いつの間にか立ち消え
それが、最近またよく見かけるようになりました。

今は、便利なイオン交換樹脂や、ハイドロ用の水を汚さない肥料が出回って、
以前よりは管理が容易になりましたが、やはり日光不足や、根腐れの問題で、
土植えのように長い間育てるのはむずかしいようです。
1〜2年楽しめる切花のつもりでなさってみてください。(2003/03/25)

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