忍者物語その3  3月31日 (日)〜4月2日(火)

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これはかたじけない、ご親切なお申し出いたみ入りますと、商人風の男に
葉っぱを差し出したその刹那、両者の間を黒い陰がパッとよぎり・・・


はるみん その葉っぱを奪い取って行ったのです。「何者!」忠ちゃんが叫んだ時は時既に遅く、
走り去る黒い影の後姿。気がつくとさっきまでそこにいたはずの、
医者ABCもいつのまにやら姿を消しています。
犯人はあの3人の中のいずれかなのか。その時忠ちゃんが小脇に抱えていた杖が・・・。

K ポトリと落ちました。そして 「 ちっ、俺の名前が忠ぶらりんかよ。
どいつもこいつもセンスねぇな。
管理人の奴もメンドくさいもんだから、まだ10時間以上残ってるのに打ち切りやがって 」
と、はき捨てるようにいうと、落ちた杖を思いきり蹴とばしました。
杖はヒュ〜ッと音を立てて飛んでいき、葉っぱを持って物陰に隠れていた医者Aの頭に
突き刺さりました。「ケッ、そんなとこにいたのか。俺の知ったことかい」、
忠ちゃんは倒れてピクピクしている医者Aを跨いで立ち去りました。
でも、こんなことで消えてしまう医者Aではありません・・・


はるみん 忠ちゃんは、自分で蹴っ飛ばしたつもりでいましたが、この杖には不思議な力が
宿っていたのです。
その不思議な力とは、忠ちゃんに危害を加えようとする輩には、
杖が勝手に向かって行って、相手を倒してくれるというものでした。
しかし、忠ちゃんが行儀の悪い乱暴なことをしたため、杖はすっかり嫌気がさして、
そのまま草むらに落ちたまま、忠ちゃんの下には戻らぬことにしました。

はるみん
さて、それまで草むらで、虫の息で倒れていたはずの医者Aは、やおらむっくり起き上がりました。
この医者A、実は甲賀のくのいち忍者あみぃだったのです。
そして、不敵な笑いとともに懐から出したのは、
あの小判を産む木の葉っぱ。右手にはくだんの杖が・・。ああ、忠ちゃんの運命はいかに。

K ここまでのお話を読んだ忠ぶらりんは、こうつぶやきました。
「 うう、くだらねぇぇぇ。ストリーの意外性もないし、構成力も低い。
これじゃ主人公やってらんないね。俺はもう降るからな。
それに何だよ、昼寝におやつ〜?だからくたばれ専業主婦なんていわれるんだよ。
次回からは、あみぃだかあみんだかしらないけど、そいつを主人公にして勝手にやってくれ 」
と毒づくと、上手の方に去っていきました」


はるみん ・・というわけで、第一部の幕が下ろされました。ちゃんちゃん。

K ■第二幕「浪速金融道・加賀屋あみぃの段」
「ここは花の浪速は淀屋橋。魔法の葉っぱと杖を手に入れたジュクジョ忍者あみぃは、
莫大な財産を築き上げ、加賀屋という大名も一目おく大きな両替商を営んでおりました。
しかし、女主人あみぃには一つ大きな悩みがありました。
それは、理想の可愛い男と子になかなか出会うことができないということです。
今日も店の番頭どもを蹴っ飛ばしながら、
数年前に行方知れずになった美少年のことを思い出しておりました・・・


はるみん その時、ふと気がつくと、店の前が何やら騒がしく人だかりがしています。

amy あ。美少年が行き倒れてる。 ふふふ。私のものだ。  
ずりずりずり、家のなかに引きずり込んで 、末長く幸せに暮らしました。

はるみん 運び込まれた時意識を失っていた美青年の口が、何か言いたげにパクパクしています。
それに気づいた番頭が耳を近づけると・・・


パンドラ 「み、みず」

はるみん 「わ 若返りのみずが、ふ ふところにぃぃぃ」 とその若者はつぶやきました。
それはあみぃに頼まれた「若返りの泉の水」を運んで来た青年だったのです。


amy あみぃはさっそく一口飲んでみました。 飲んだのは一口だったのですが、
さあたいへん。 もともと若かったので、赤ちゃんに戻ってしまいました。


パンドラ そこへ現れたのが15人の乳母軍団

はるみん さて、ばあやたちは、5人ずつ3組に分かれて、1組は赤ちゃんになったあみぃ、もう1組は行き倒れの青年の面倒を見ることに。しかしこのあみぃ、見かけはあかんぼですが、ちゃんと口も聞けるし、中味はジュクジョのまま。そう、ちょうど梅図かずおのマンガのヘビ少女のようにしっかりしたあかんぼだったのでした。で、残りの1組のばあやはというと・・・・、


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