忍者物語その5 4月9日 〜4月16日
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■第三幕「中年の蹉跌・疾風怒涛編」
K | ここは冬の越前海岸。浜辺をトボトボ歩く一人のジュクジョがありました。 見れば髪をふりみだし、ボロをまとっています。 そうです。彼女こそこの物語の主人公、加賀屋あみぃその人です。 彼女は、保険の免責事項の中に「放火」の文字があるのを見落としていました。 しかし、こんなことでへこたれる加賀屋ではありません。 何やら足元に見つけたようです・・・・。( |
南三条 | あみぃは砂浜にしゃがみこみました。 足もとの赤黒い「モノ」を指先でつついてみると、もぞっと動きます。 「い、生きてる?!」 |
amy | ぎゃあ「指先」で突いてはなりません。ツンツンは小枝がお約束。 |
はるみん | 「ちょっと、ちょっと、なにすんねん、おばはん。小枝なんかで突っついたら痛いやんけ」 と、その「赤黒いもの」は甲高い声を発しました。 |
南三条 | 「お、おばはん?!」あみぃのいちばん聞きたくない言葉です。 あみぃは思わず指先に、いえ枝先に力を込めました。 |
みかるー | ぐさ! 手ごたえがありました(笑)「ぐぇええええ お おばはん なにすんねん。 そないなことしたらな 泣くで。 泣いたるでぇえええ `◇´;」 |
amy | ぐさっ。 赤黒い固まりを枝の先に指した瞬間、あみぃの中で何かが目覚めました。 あみぃは枝をさし上げ。。。うほほぉ〜〜〜い。うほほお〜い。 ヾ(*^0^*)ゞ と走り回りました。 |
はるみん | 「ぐぐぐ・・・んぎゃぁ〜〜〜!!!」 その時突然、あみぃの持っている枝先から、ものすごい泣き声が、 その声に驚いたあみぃが、枝先を見ると、そこには・・、 |
amy | な。なんだ。。これわ。。なんだぁ〜〜〜こ。こ。これは! とりあえず、うんこではないらしい。。。じゃ。いいや。 ((/``)ノ⌒゜ポイッ |
はるみん | 砂浜に投げ出された途端、その「赤黒い固まり」はむくむくと大きくなり、 |
みかるー | 「全く近頃の若いもんは せっかく願いを3つかなえてやろうっちゅうのに」 と言いながら あみぃより20センチほど背の高い人型になりました |
はるみん | わ、わ、わかいも〜んっ!?ヾ(*お▽お*)ノ なんてことを言われたのは、かれこれ20年振りだったあみぃは、 すっかり舞い上がってしまい、 |
南三条 | 舞い上がりすぎて何もない砂浜でけっ躓いて派手に転びました。 背の高い人型…その容姿は転んだあみぃの目にはまだ見えていないのですが…は、 あまりに大胆な転びかたに一瞬凍りつき、次の瞬間には吹き出しておりました。 「ぶわっはっは、そのほう、丸見えじゃぞ、 |
amy | 丸見え? げっ。。しっぽを見られた。 こうなっったら何百年生きていようが 背が高かろうが、願いを叶えるなんて眉唾な事を言おうが、 生かしておけん。 食ろうてくれるわぁぁ。 うわぁっはっはっはっはっは。 |
はるみん | 「たわけもの!この顔を良く見るのだ。」 その物体は、内心あみぃの剣幕に驚きながらも、一喝しました。 |
はるみん | その声の大きさにびっくりしたあみぃ、今にもかぶりついてやろうと開けた口を アングリさせたまま、その謎の物体の顔をまじまじと見つめました。 すると、それまでただ黒い固まりに見えたのはドロ汚れで、 その下から垣間見える顔はなんと美しい青年だったのです。 |
amy | うわはははは。 ヾ(*^0^*)ゞ いただきま〜〜〜す。 |
南三条 | 謎の物体改め美青年は、ジュクジョあみぃのシッポならぬ下履きをしっかり見てしまい、 興奮し…ませんでした。 それにしてもどう見てもジュクジョあみぃより美青年のほうが若そうです。 では先ほどの「若いもん」という表現は…? 突然正気に戻ってオカシナことに気がついたあみぃ、次の瞬間目にしたものは、 |
はるみん | 美青年が手にしている、天狗の団扇のような八ツ手の葉っぱ |
南三条 | 酢味噌に七味を効かせて、さぁ、あ〜〜〜〜〜ん・・ぱくっ! はっ?! 残念。 おいしそうな美青年にありつけた…と思ったのはどうやら幻覚だったようです。 ぼんやり立っていると、あみぃはさわさわと肩を叩かれました。 振り向けばそこに、 |
はるみん | 八ツ手の葉っぱを手にした天狗が・・・・。 |
南三条 | 天狗の鼻は異常に長く太く、振り向いたあみぃのかわいい鼻を直撃しました。 かよわい(?)あみぃは鼻血を出して倒れ、砂浜に倒れこむ寸前、 八ツ手の葉っぱを持った天狗に抱きとめられました。 「あぁ、殿方に抱きしめられるなんて(ちがうちがう)…何年、いえ、何10年ぶりかしら」 薄れゆく意識の中であみぃは自分の来し方を振りかえりました。 |