今回の旅行の目的のひとつは「團菊祭」見物。
松竹会員のシンシンさんのおかげで、10日の夜のチケットが取れました。

歌舞伎座まではタクシーで。今回は体調優先でなるべくタクシーで動くことにしました。
オークラからは1,180円。近いんですね。


夜の部のチケットが争奪戦になったのは、この人のせい（笑）
初お目見えは、夜の部だけだったのです。
どうせなら、見たいのが人情。

座席は、花道側、西の桟敷の9番でした。
ひとブロックに2席ですから、前から17番目と18番目で遠いかなぁと
思いましたが、座ってみるとこんな具合で、やっぱりいささか遠かったですが、
舞台は全体見やすく。

揚幕（役者が花道に出てくるところ）がすぐそこ。

テーブルがあって、掘りごたつ式。
椅子席よりは体が楽だし、前を遮られる恐れがないのが何より。
一等席と2千円違いなので、桟敷から埋まるのも頷けます。
歌舞伎座の桟敷は初めてでしたが、隣席との仕切りが、脇息程度の高さと
サイズのもの、テーブル上には仕切りがなく、個室感少なく。
左隣に座った80代のご婦人2人が、子供の頃からの歌舞伎好きとかで、
ご主人が亡くなってからは、毎月2人同じ場所をとって来るとか。
気さくで楽しい人たちで、休憩時間に話しかけてもらって、お弁当は向かいの
「弁天」がいいとか、うなぎはどことか、食べ物話題や好きな役者の話など。
しばし歓談。

めったに来られない、お上りさんの私たちは、桟敷弁当をおごりました。
2部と3部の間の30分休みに間に合うように、2部の終わり頃、桟敷の
靴脱場所に、台に乗せられて届いていました。

2段重にお吸い物。お吸い物の汁は、小さいポットに入っていて、熱々。
左の上の仕切りには、だし巻き、しし唐とパプリカの素揚げ、
銀ムツ（たぶん）の味噌漬け、かまぼこ、ちまき、レンコンのはさみ揚げ
ステーキ、塩茹で甘エビ、ベビーコーン、ひじき煮など。ピースご飯。
右は、ごま豆腐のウニあんかけ、里芋と信田巻、生麩と舞茸の炊合せ、
小松菜のおひたし。
3,800円とちょっと高いですが、どれもこれもおいしくて、値ありでした。

右前の座席にいた、外人カップルのうちの女性が、私達が食べ始めると、
チラチラとこっちを見ていて、目が合うと「just curious」と
ちょっと恥ずかしそうにしたので、器を傾けて、「here you go」というとニッコリ
変わったもの食べていたら、なんだろうと思うのは万国共通。
私だったら、立ってのぞきに行っちゃうかも（笑）

1幕の「勢獅子音羽花籠（きおいじしおとわのはなかご）」の最初のところで
「寺嶋和史 初お目見得」がありました。
吉右衛門さんが團菊祭に出演するのは20数年ぶりとか。
お孫さんの初お目見えということもありましょうが、團十郎さんが亡くなって、
海老蔵は、まだ若手なので、盛り上げる意味合いもあったのかな。

父親の菊の助に抱っこされて、両方のおじいちゃんの菊五郎と吉右衛門や、
大勢の役者さんを従えて、花道を通って出てきましたが、両手で顔を隠したまま。
舞台に並んでも、ずーっとそのまま(^^)
両方のおじいちゃん、菊之助が挨拶しおわったところで、手をおろしてにっこり
顔を見せて、客席に向けてバイバイというように、手を振ってくれたので、
観客一同わーっと湧いて、手を振り返し。
いやー、計算なしで観客のハートをぐっと掴んだ役者ぶり（笑）。
目がぱっちりとして、顔立ちも可愛らしいし。どんな役者になるでしょう。
彼が活躍する頃まで、元気でいて見てみたいものです。

吉右衛門や菊五郎の出番は少なかったけれど（病み上がりへの配慮かと）、
その分、海老蔵と菊之助が頑張っているのが見て取れました。
特に3部の2人で踊る｛男女（めおと）道成寺」が素晴らしかった。
ふたりとも所作も姿も美しくて、うっとりでした。
踊りの場面は、いつも眠くなるのですが、今回は最初から最後まで目を離せずでした。